【形態機能学#1】細胞について

ショートレクチャー

細胞小器官

ようへい
ようへい

動物の体を形成する最小単位は「細胞」です。そして,細胞の中には様々な働きを持った「細胞小器官が存在しています。これら細胞小器官の名称と働きを抑えておきましょう。


  • 通常1つの細胞に1つ存在。核膜は2重膜構造で染色質と核小体からなる。DNAの形で遺伝情報が保存されている。
    核小体はDNAからRNAへの転写が活発に行われる場所。
  • 細胞膜
    細胞膜はリン脂質の2重膜構造で,細胞の内外を隔てている。
  • リボソーム
    rRNA(リボソームRNA)と蛋白質からなる構造で,蛋白質合成に関与する。
  • ゴルジ体
    袋状の構造が何枚も重なった構造で,蛋白質を修飾する。
  • ミトコンドリア
    電子伝達系という酵素が存在し,好気性呼吸(酸素を用いた呼吸代謝)によりエネルギー(ATP)産生を行う。
  • リソソーム
    内部に含まれる分解酵素により,細胞内の不要な物質を分解する。

細胞分裂

細胞は,分裂することでその数を増やす。体を構成する細胞の分裂を「体細胞分裂」という。(※精子や卵子を形成する際の分裂は「減数分裂」後述)

細胞分裂は,分裂に関わる様々なステージが周期的に進み行われる。これを「細胞周期」という。

細胞周期
  • 間期(G1期)

    細胞が成長する

  • 間期(S期)

    DNAが複製される

  • 間期(G2期)

    分裂するための準備

  • 分裂期(M期)

    細胞が2つに分裂する

  • 間期(G1期)

    分裂終了後は細胞が成長するG1期に戻る

遺伝子 ~DNAとRNA~

DNAは,デオキシリボース(糖)とリン酸と塩基の3つから構成される。DNAを構成する塩基には,アデニン(A),チミン(T),グアニン(G),シトシン(C)の4種類が存在する。DNAは,図の様な「二重らせん構造」を呈していて,塩基が決まった組合せになるように結合している。※塩基の組合せは【アデニンーチミン】【グアニンーシトシン】

https://www.rnaj.org/images/bulletin/39/furuichi17-3.jpg から

遺伝子の情報をもとに蛋白質が合成される事を「遺伝子の発現」という。遺伝子の発現にはRNAが重要な働きをし,その働きによってrRNA(リボソームRNA),mRNA(メッセンジャーRNA),tRNA(トランスファーRNA)に分類される。RNAを構成する塩基には,アデニン(A),ウラシル(U),グアニン(G),シトシン(C)の4種類がある。(※DNAとは異なる!)

遺伝子の発現は,まず,DNAを元にして,遺伝情報がmRNAに写し取られる(転写)。写し取られたmRNAにリボソームが結合し,tRNAが運んできたアミノ酸を順番通りリボソームが並べていく(翻訳)。その結果,アミノ酸の長い鎖が完成し,これに修飾を加えたものが蛋白質となる。

ようへい
ようへい

この辺はずいぶんとわかりにくいので動画をご紹介します。

https://youtu.be/ZuEMAEXZTaQ より
ようへい
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お疲れ様でした。今回は,解剖学や生理学の基礎について解説しました。少しずつ用語などになれておきましょう。

次回は「組織系」について解説します。

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