【特訓】計算問題パターン別解説 ~その1~

愛玩動物看護師国家試験
ようへい
ようへい

今回は必ず出題される薬用量の計算問題についてパターン別に解説していきます。何度も繰り返し練習しておきましょう!

計算問題は以下の3つの手順で解いていきます。いつも同じように順番に整理していくと自然と計算問題は出来るようになります。

計算問題心得
  • 薬用量をチェック
    多くは〇㎎/kgの単位がついています。この意味は,1㎏の動物には〇㎎で投与しますよ,という事が書いてあります。
  • 体重や投与回数,日数をチェック【ほとんどかけ算】
    体重は実際に投与する際に薬用量(1㎏あたりの量)とセットで考えます
    投与回数は略語で書かれていることがあります(SID;1日1回,BID;1日2回など)
  • 薬の含有量(力価と書かれているものもあり)から,実際の投与量を求める【ほとんど割り算】
    例えば1錠には何㎎の薬効成分が含まれているのかとか,1mlの薬には何㎎の薬効成分が含まれているのかが書かれています

この3つのステップで解説していきますね。
※もう一つ大事なことは,計算の途中式に必ず単位を書いておきましょう!!

◇パターン1◇ 1回分の投与量

問 ある抗生物質(力価:100㎎/1錠)を薬用量10㎎/kg5㎏の犬に投与するときの1回の投与量を求めなさい。

ようへい
ようへい

この問題は計算問題の基本的な考え方です。この問題を出来るようにしておけば,すべての問題が解けるようになりますので頑張りましょう!!

① 薬用量をチェック  問題の中で〇㎎/kgを探そう!

赤線の 『薬用量10㎎/kg』 まずはこれを使います。

② 体重や投与回数や日数をチェック 薬用量①にこれらの数値をかけて全部でどのくらい投与するのかを考えていきましょう!

体重:[ 5 ]㎏  投与回数:[ 1 ]回分  日数:書いてない

薬用量 × 体重 × 回数 = 10㎎/kg × 5㎏ × 1回 = 50㎎

ここで出た数値は,『5㎏の犬に全部で1回に50㎎投与する』という意味です。

③ 薬の含量をチェックし,実際にどのくらい投与するのかを計算する

薬の含量(力価):100㎎/1錠(1錠には100㎎の薬が含まれていますという意味)

②で出た投与量 ÷ 力価 = 50mg ÷ 100㎎/1錠 = 0.5錠

答えは,1回の投薬量は0.5錠(半錠)ずつとなる

※この計算は比の計算でも出来ます!!
 100㎎ : 1錠 = 50mg : 〇錠(求める数値)
 →比の計算は外側同士,内側同士をかけた数値が同じになります(中学校数学)
  100㎎×〇錠 = 1錠×50mg
      〇 = 0.5

実際の計算

10mg/kg×5㎏×1回=50mg
50㎎÷100㎎/1錠=0.5錠

問 ある薬剤(力価:20㎎/2ml)を規定量0.5㎎/kg8㎏の犬に皮下投与するときの1回の投与量を求めなさい。

ようへい
ようへい

考え方は同じです!液剤になってもやることは3つのステップで変わりません。

① 薬用量をチェック  問題の中で〇mg/kgを探そう!

赤線の 『規定量0.5mg/kg』 まずはこれを使います。

② 体重や投与回数や日数をチェック 薬用量①にこれらの数値をかけて全部でどのくらい投与するのかを考えていきましょう!

体重:[ 8 ]㎏  投与回数:[ 1 ]回分  日数:書いてない

薬用量 × 体重 × 回数 = 0.5mg/kg × 8㎏ × 1回 = 4㎎

ここで出た数値は,『8㎏の犬に全部で1回に4mg投与する』という意味です。

③ 薬の含量をチェックし,実際にどのくらい投与するのかを計算する

薬の含量(力価):2mg/2ml(2mlには20mgの薬が含まれていますという意味)

②で出た投与量 ÷ 力価 = 4mg ÷ 2mg/2ml(10mg/ml) = 0.4ml

答えは,1回の投薬量は0.4mlとなる

◇パターン2◇ 処方の全量を求める

問 粉末の抗生物質(力価:150㎎/1g)を規定量5㎎/kg3㎏の犬にBID6日処方するとき,抗生物質は全部で何g必要か。

ようへい
ようへい

3つのステップ忘れていませんか??

① 薬用量をチェック  問題の中で〇mg/kgを探そう!

赤線の 『規定量5mg/kg』 まずはこれを使います。

② 体重や投与回数や日数をチェック 薬用量①にこれらの数値をかけて全部でどのくらい投与するのかを考えていきましょう!

体重:[ 3 ]㎏  投与回数:[ 1日2回 ]  日数:[ 6 ]日間

薬用量 × 体重 × 回数 × 日数 = 5mg/kg × 3㎏ × 2回 × 6日 = 180㎎

ここで出た数値は,『3㎏の犬に全部で180mg投与する』という意味です。ちなみに回数は全部で12回分になります。

③ 薬の含量をチェックし,実際にどのくらい投与するのかを計算する

薬の含量(力価):150mg/1g(1gには150mgの薬が含まれていますという意味)

②で出た投与量 ÷ 力価 = 180mg ÷ 150mg/1g = 1.2g

答えは,全部で1.2g必要となる

※ちなみに,粉末の薬を分包するときは,全量1.2gをBIDで6日なので全部で12包に分包すればよいので,1包あたり(1回分)0.1gの薬剤を投与することになります。

◇パターン3◇ 薬剤を溶かすパターン

問 下の写真のピペラシリン(力価:1g/1V)を生理食塩水10mlで溶解し,10kgの犬に20mg/kgで静脈内投与するときの投与量を求めなさい。

ようへい
ようへい

少しひねりが出てきました!でもやってることは3つのステップ!少しややこしくなってきたけど頑張れ!!

① 薬用量をチェック  問題の中で〇mg/kgを探そう!

赤線の 『規定量20mg/kg』 まずはこれを使います。

② 体重や投与回数や日数をチェック 薬用量①にこれらの数値をかけて全部でどのくらい投与するのかを考えていきましょう!

体重:[ 10 ]㎏  投与回数:[ 1 ]回分  日数:書いてない

薬用量 × 体重 × 回数 = 20mg/kg × 10㎏ × 1回 =200㎎

ここで出た数値は,『10㎏の犬に全部で1回に200mg投与する』という意味です。

③ 薬の含量をチェックし,実際にどのくらい投与するのかを計算する

ようへい
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ここが問題です!問題にははっきりと書いていないので計算で力価を求める必要があります!

薬の含量(力価):1g/1V(1本に1gの薬効成分がありますという意味)

これを10mlの生理食塩水で溶解したので,1g/10mlとなる(10mlの中に薬効成分が1g入っていますよという意味)。そしてもうひと手間!1g=1000㎎(単位をそろえる・小学校算数)となるので,力価は1000㎎/10ml(100㎎/ml)(1mlあたり100㎎)

②で出た投与量 ÷ 力価 = 200mg ÷ 1000mg/10ml(100mg/ml) = 2ml

答えは,1回の投薬量は2mlとなる

まずは基本の3パターンを解説してみました。この3つのステップで求める方法は実際に我々獣医師も臨床現場でやっていることです(他の方法もしているかもしれませんが,僕はこの方法を取っています)。試験問題では,計算しやすいように数値を簡単にしてくれていると思いますので,ぜひこの機会にマスターしておきましょう!次は,もう少し発展編として点滴の計算を解説します。よろしくお願いいたします。

ようへい
ようへい

もしも読んでいるだけでは全然わからないという人はお問合せください。個別に解説いたします!

コメント

  1. ぽぽ より:

    薬用量計算苦手で、練習問題をたくさん解きたいと思い、検索した所このページにたどり着きました☺️

    良かったら薬用量計算の問題、またいくつかあげてもらえたら嬉しいです♪

    素敵なページをありがとうございます!

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