問13 経口投与で生体利用率が高い薬物の特徴の組合せとして正しいのはどれか。
a:初回通過効果が高い。
b:脂溶性が高い。
c:初回通過効果が低い。
d:脂溶性が低い。
e:酸安定性が低い。
① a,b ② b,c ③ c,d ④ d,e ⑤ a,e
薬理学の基本の整理
ようへい
薬理学の基本については,このブログで開催している「寺子屋」で解説したことがありますので,そちらの解説動画を掲載しておきます。
「寺子屋」のセミナー動画(抜粋)
解答 ②
問13 経口投与で生体利用率が高い薬物の特徴の組合せとして正しいのはどれか。
a:初回通過効果が高い。
b:脂溶性が高い。
c:初回通過効果が低い。
d:脂溶性が低い。
e:酸安定性が低い。
① a,b ② b,c ③ c,d ④ d,e ⑤ a,e
薬理学の基本については,このブログで開催している「寺子屋」で解説したことがありますので,そちらの解説動画を掲載しておきます。
解答 ②
コメント
はじめまして、お世話になっております。
2021年3月実施の統一認定試験に全く同じ問題が出てた様ですが、回答が③となっています。
解説には、
経口投与された脂溶性の低い薬は小腸で吸収され、門脈血管から肝臓へと流れますが、脂溶性の高い薬は小腸で吸収されるとリンパ管へと流れます。脂溶性の高い薬は空腹時ではほとんど吸収されずに肛門へと流れてしまいますが、それは脂溶性の高い薬の分解に必要な胆汁が空腹時では分泌されないためです。一方脂溶性の低い門脈から吸収される薬は空腹時でも食後の満腹状態であっても同じように小腸から吸収されます。よって脂溶性の低い薬の方が、生体利用率が高いといえるでしょう。
と書いてあります。
参考書などを見ても脂溶性の高い薬の方が吸収されやすいと書いてあるので、こちらもそう理解していたのですが…
解説についてどう思われますでしょうか。
よろしければご回答いただければ幸いです。
コメントありがとうございます。これについては過去に質問を受けて調べました。僕は,この解説に関しては,この問題に対してかなり生理学・薬理学を深く解釈した上での解説と考えました。つまり,空腹時・食後などと問題で限定されていないので一般的な薬剤が小腸粘膜上皮から吸収されやすい形はどんな状態か?と単純に考えた場合は,やはり,脂溶性の高い薬剤は,小腸の粘膜上皮細胞の細胞膜(リン脂質)を通過しやすいので,吸収されやすいと考えます。胆汁の存在を考慮してもしなくても,薬剤が小腸粘膜上皮細胞から吸収されるのは変わらないので,そう考えると,やはり脂溶性の薬剤の方が吸収されやすいのではないでしょうか?
認定機構が正式な解答を発表していない以上は推測になってしまいますが,教科書や参考書の大部分は脂溶性の薬剤の方が吸収されやすいと書いてありましたので(この問題集のみこの記述でした),ご理解されている内容で差し支えないように考えます。
ようへい
わかりやすいご回答どうもありがとうございます。理解している内容のままで良い様で安心しました。
これからもこちらのブログを参考にさせて頂き、国試の勉強に励みたいと思います。
よろしくお願いします。